「エンディングノート」は何から書く?──完璧じゃなくていい、まず1ページから

目次

この記事でわかること

  • エンディングノートと遺言書は「役割」がまったく違うこと
  • 完璧に書こうとしなくていい理由と、まず書く1ページ
  • 35歳・共働き世帯が「元気な今」から始めておくと安心なこと

「エンディングノート、いつか書かなきゃとは思っているけれど、なんだか気が重くて…」

「まだ元気だし、うちには早い気がする」

「そもそも何を書けばいいのか、よくわからない」

こんな気持ち、よくわかります。エンディングノートというと「人生の締めくくり」という重たいイメージがあって、つい後回しになりますよね。でも実は、エンディングノートは「もしものため」というより、今の自分の情報を家族と共有しておくための一冊。完璧に書き上げる必要はまったくありません。この記事では、肩の力を抜いて「まず1ページ」から始める考え方を、やさしく整理していきます。

まず知っておきたい「エンディングノートと遺言書の違い」

始める前に、ひとつだけ整理しておくと安心なことがあります。それは、エンディングノートには法的な効力がないということです。「誰に財産を渡すか」といった相続の希望を確実に残したいときは、法律で定められた形式の「遺言書」が必要になります。

その遺言書についても、国が備えを整えています。2020年7月から始まった法務省の「自筆証書遺言書保管制度」を使うと、自分で書いた遺言書を全国の法務局(遺言書保管所)に預けられます。手数料は保管の申請1件につき3,900円(収入印紙で納付)。自宅保管だと紛失や書き換えの心配がありますが、この制度なら安全に保管でき、家庭裁判所での「検認」も不要になります。

つまり、気持ちや情報を自由に書き留めるのがエンディングノート、財産の分け方を法的に残すのが遺言書。役割が違うので、両方あると心強い、という関係です。まずは気軽に書けるエンディングノートから始めて大丈夫です。

項目エンディングノート遺言書
法的な効力なしあり(形式を満たせば)
書ける内容自由(情報・気持ち・希望)主に財産の分け方など
形式のルールなし(市販ノートやアプリでOK)あり(自筆・日付・署名・押印など)
費用の目安0〜数千円法務局保管なら3,900円〜
エンディングノートと遺言書の役割の違い(※一例です)

FPの考え方:「完璧」より「お金のありか」を1枚に

ご家庭によって書きたいことは変わりますが、FPの視点でいちばんお伝えしたいのは、「最初から全部を埋めようとしない」ということです。エンディングノートには趣味の思い出や家族へのメッセージ欄もあって、そこから書こうとすると手が止まってしまいがち。

いちばん家族が困りやすいのは、実は「気持ち」より「お金や契約のありか」がわからないこと。どの銀行に口座があるか、保険はどこに入っているか、ネット証券のIDはどこにあるか——これが1枚にまとまっているだけで、残された家族の負担はぐっと軽くなります。だから、まずは「お金の置き場所リスト」から。それが、いちばん実用的な最初の1ページです。

モデルケース:35歳・共働き世帯の「最初の1ページ」

たとえば、夫35歳・妻34歳の共働き、小学生と未就学のお子さんが2人いるご家庭。「まだ終活なんて早い」と感じる年代ですが、実はこの世代こそ、口座や保険、住宅ローン、ネット系サービスが増えていて、情報が家族の頭の中だけにある状態になりがちです。

この場合、いきなり分厚いノートを買うより、次の3ステップで「お金の地図」を1枚つくるのがおすすめです。

まず書く「お金の地図」3ステップ
1
口座・保険を書き出す
銀行名・保険会社名だけでOK。金額や暗証番号は書かない。
2
ネット系の入口をメモ
ネット銀行・証券・サブスクなど「画面の中にあるお金」の一覧。
3
保管場所を家族に一言
「この引き出しにあるよ」と置き場所だけ共有すれば完成。
※考え方の一例です。暗証番号やパスワードそのものはノートに書かず、別で管理を。

よくある誤解

誤解①「エンディングノートを書けば、相続はそれで安心」
→ 法的な効力はないため、財産の分け方を確実に残すには遺言書が別に必要です。ノートは情報共有、遺言書は法的な意思表示、と分けて考えると安心です。

誤解②「高齢になってから書くもの」
→ 情報が増える現役世代こそ、書いておく価値があります。むしろ元気なうちのほうが、落ち着いて整理できます。

誤解③「一度書いたら完成」
→ 口座や保険は変わっていくもの。1年に1回、見直せば十分です。完璧より「更新できる状態」を大切に。

確認してほしい3つのポイント

いちばん小さな一歩は、「使っている銀行と保険会社の名前を、紙に書き出してみる」だけ。今日5分でできて、これだけで「お金の地図」の第一歩はもう踏み出せています。

  1. 使っている銀行・保険会社の「名前」を書き出してみる(←まずはこれだけ)
  2. 余裕があれば、ネット銀行・証券・サブスクの一覧も足す
  3. さらに余裕があれば、そのメモの置き場所を家族に一言伝えておく

まとめ

  • エンディングノートは情報共有の一冊、遺言書は法的な意思表示。役割が違う。
  • 完璧を目指さず、まずは「お金の置き場所リスト」の1ページから。
  • 現役世代こそ、元気な今、落ち着いて始めるのがおすすめ。

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このテーマの全体像は〈親のこと・相続ガイド〉にまとめています。


のどかFP事務所からの一言

エンディングノートは「終わり」の準備ではなく、「今の暮らしを家族と分かち合う」ためのもの。まず1ページ書くだけで、ご自身も家族も少し安心できます。のどかFP事務所は特定の商品を販売しない、中立的な立場のFPです。「何から手をつければいいか」から一緒に整理できますので、気になる方はお気軽に無料相談をご利用ください。

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