給付型奨学金、いくらもらえる? ― 仕組み・対象・年収目安・自宅/自宅外・国公私立別の支援額【教育費シリーズ 基礎編】

目次

この記事でわかること

– 「給付型奨学金」は返さなくてよいお金。最高で年約91万円(私立・自宅外)が目安です

– もらえる金額は「①国公立か私立か ②自宅か自宅外か ③世帯の年収区分」で決まります

– 奨学金とは別に「授業料・入学金の減免」もセットでつき、初年度は合計約187万円相当になるケースもあります


「うちはもらえるの?」その気持ち、よくわかります

「大学の費用、いったいいくらかかるんだろう…」

「奨学金って借金でしょう? 返済が不安で…」

「給付型があるって聞いたけど、うちの収入だと対象外かな…」

お子さんの進学を考えるとき、こんな気持ちになる方はとても多いです。教育費は人生でも大きな支出のひとつ。情報があふれていて、かえって整理がつかなくなることもありますよね。

そんな気持ち、よくわかります。まず確認したいのは、「給付型奨学金」は返さなくてよいお金だということ。借りて返す「貸与型」とはまったく別物です。この記事では、いちばん知りたい「結局いくらもらえるの?」に、できるだけわかりやすくお答えしていきます。


まずは国の制度から確認しましょう

民間のサービスを考える前に、まず国の仕組みを知っておくことが大切です。

正式名称は「高等教育の修学支援新制度」(令和2年4月開始)。これは2つの支援がセットになっています。

  1. 給付型奨学金(返さなくてよいお金。主に生活費にあてるイメージ)
  2. 授業料・入学金の減免(学校に払うお金が安くなる)

対象になるのは、大学・短大・高専(4〜5年)・専門学校です。大学院は対象外となります。

支援額は世帯の収入に応じて第Ⅰ〜第Ⅳ区分に分かれ、もらえる割合が変わります。世帯の人数や構成によって目安額は変わります。

区分 もらえる割合(目安)
第Ⅰ区分 満額
第Ⅱ区分 満額の2/3
第Ⅲ区分 満額の1/3
第Ⅳ区分 満額の1/4(多子世帯など)

(出典:文部科学省・JASSO。2026年6月時点の目安です)


FPとしての考え方の整理

ここでFPの視点をお伝えします。大切なのは「いくらかかるか」だけでなく、「公的な支援でどこまで埋められるか」という全体像を先に見ておくことです。

一般的な目安として、給付型奨学金と減免を合わせると、初年度の負担がぐっと軽くなるご家庭は少なくありません。ただし、もらえる金額はご家庭の収入・世帯構成・資産状況によって変わります。「うちはいくらか」は、最終的にひとつひとつ確認していくものだとお考えください。

判断する前に全体像を見ておくこと。これが教育費と上手につきあう第一歩になります。


具体的なモデルケース(数字で見てみましょう)

第Ⅰ区分(満額)の場合に、いくらもらえるのかを見てみましょう。

給付型奨学金の月額(大学・第Ⅰ区分満額の目安)

通学パターン 自宅から通う 自宅外(実家を出て暮らす)
国公立 月29,200円(年約35万円) 月66,700円(年約80万円)
私立 月38,300円(年約46万円) 月75,800円(年約91万円)

いちばん多いのは「私立・自宅外」で月75,800円=年約91万円。満額が続いた場合、4年間で約364万円が、返さなくてよいお金になります(区分や継続条件によって変わります)。

さらに、授業料・入学金の減免も加わります(第Ⅰ区分・大学の年額上限の目安)。

  • 国公立:授業料 約54万円+入学金 約28万円
  • 私立:授業料 約70万円+入学金 約26万円

【初年度の支援合計イメージ】

  • 私立大・自宅外:給付 約91万円 + 授業料減免 70万円 + 入学金減免 26万円 = 約187万円相当
  • 国公立大・自宅:給付 約35万円 + 授業料減免 約54万円 + 入学金減免 約28万円 = 約117万円相当

数字はすべて2026年6月時点の目安です。最新額は必ずJASSOでご確認ください。また、これは支援額を保証するものではありません。


よくある誤解・注意点

誤解①「収入が低くないと無理でしょう?」

こう思っている方が多いですが、実は区分は第Ⅳまであります。たとえば本人+親2人+中学生の4人世帯では、第Ⅰ区分が年収約271万円までの目安、いちばん幅広い第Ⅳ区分は約635万円までが目安とされています(給与所得世帯の場合)。世帯人数で目安額は変わるので、「うちは無理」と決めつける前に確認する価値があります。

誤解②「奨学金=借金で、返さないといけない」

給付型は返さなくてよいお金です。返すのは「貸与型」(第一種=無利子/第二種=有利子)の方。混同しやすいので、ここはしっかり区別しておきましょう。

誤解③「貯金があると関係ないお金まで全部カウントされる」

資産基準は、本人+生計を支える方の資産合計が5,000万円未満(支える方が1人なら3,500万円未満)が目安です。一般に預貯金や有価証券などは含まれるとされています(NISAの扱いなど詳細はJASSOで要確認)。不動産や学資保険は対象外です。


確認してほしい3つのポイント

  1. 「自宅」か「自宅外」かを仮置きしてみる … 進学先が決まっていなくても、想定で金額感がつかめます
  2. 世帯の年収区分のあたりをつける … JASSOの家計基準の目安と照らし合わせてみましょう
  3. 申込のタイミングを知っておく … 高3時の「予約採用」、進学後の「在学採用」、急な収入減の「家計急変採用」があります

まとめ+次のステップ

要点を3つにまとめます。

  • 給付型奨学金は返さなくてよいお金。最高で年約91万円(私立・自宅外)が目安です
  • もらえる額は「国公私立 × 自宅/自宅外 × 年収区分」で決まります
  • 奨学金とは別に授業料・入学金の減免もセットでつきます

「うちはどの区分かな?」と気になった方へ。

  • まず気軽に情報収集したい方は、のどかFP事務所の公式LINEへ。最新情報やヒントをやさしくお届けします
  • 具体的に整理したい方は無料相談でご家庭の状況に合わせて一緒に見える化していきましょう

今回は基礎編をお届けしました。多子世帯の無償化や「途中で打ち切られることはある?」といった疑問は[注意点編]、「いつ・何を準備すればいい?」は[準備編]で、それぞれ詳しくお伝えしていきます。


のどかFP事務所からひとこと

教育費の話になると、「いくら足りないんだろう」と不安が先に立ちがちです。でも、国の支援を知るだけで、見える景色は意外と変わります。

私たちは保険や金融商品を販売しない独立系FPです。だからこそお伝えできるのは「正解」ではなく、「あなたのご家庭に合った考え方」だと思っています。

最後にひとつ、問いかけを。

お子さんの進学について、ご家庭で「お金の話」を一度でもしたことはありますか?

その小さな一歩が、未来を明るくするきっかけになるかもしれません。


出典一覧

  • 文部科学省「高等教育の修学支援新制度 制度の概要」 https://www.mext.go.jp/kyufu/outline/index.html
  • JASSO「給付奨学金の支給額」 https://www.jasso.go.jp/shogakukin/about/kyufu/kingaku.html
  • JASSO「予約採用の家計基準」 https://www.jasso.go.jp/shogakukin/about/kyufu/kakei/yoyaku.html
  • 文部科学省「多子世帯の大学等授業料・入学金の無償化」 https://www.mext.go.jp/content/20250416-mxt_gakushi01_100001505_4.pdf

※本記事の金額・年収区分・資産基準などはすべて2026年6月時点の目安です。制度の数字や年収のめやすは、最新の制度内容によって変わることがあります。試算は将来の支援額を保証するものではありません。最新の正確な情報は必ずJASSO・文部科学省の公式サイトでご確認ください。

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