iDeCoとNISA、どっちから始める?──子育て世代は「引き出せるか」で決めていい

目次

この記事でわかること

  • iDeCoとNISA、子育て世代はどちらから始めると考えやすいか
  • 「節税の大きさ」より先に見ておきたい「引き出せるかどうか」という視点
  • 35歳・年収500万円のモデルケースでの、無理のない始める順番

「iDeCoとNISA、違いは何となくわかったけど、結局どっちから?」
「節税ならiDeCoと聞くけど、教育費もこれからかかるし…」
「両方やるほどの余裕はないんだよね」

こんな気持ち、よくわかります。実は「どっちが得か」で悩むより、「そのお金をいつ使う可能性があるか」で考えると、答えはすっと出ることが多いんです。

まずは制度の確認──2つの共通点と、決定的なちがい

どちらも「運用で増えた分に税金がかからない」国の制度です。NISA(金融庁)は2024年から、年間360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)・生涯1,800万円まで非課税で、期限はなく、必要になればいつでも売却して引き出せますiDeCo(iDeCo公式サイト)は掛金が全額所得控除になる強力な税メリットがある一方、原則60歳まで引き出せません。掛金の上限は、企業年金のない会社員で月2万3,000円です。

なお、2025年に成立した年金制度改正法により、iDeCoは加入できる年齢が70歳未満まで広がり、企業年金のない会社員の掛金上限も月6万2,000円へ引き上げられる予定です(2027年1月引き落とし分から。厚生労働省)。制度としては、これからさらに使いやすくなっていきます。

FPとしての考え方──判断の軸は「お金の自由度」

一般的な目安として、教育費や住宅費など大きな支出がこれから控えている時期は、節税の大きさより「必要なときに引き出せるか」を優先して考えます。iDeCoの所得控除はたしかに魅力ですが、60歳まで動かせないお金になるため、手元の余裕を先に確保しておくことが大切です。ご家庭の貯蓄額や働き方によって考え方は変わりますが、「生活防衛資金 → いつでも引き出せるNISA → 余裕が続くようならiDeCoを足す」という順番が、子育て世代にはなじみやすい形です。

NISAiDeCo
引き出しいつでも可能原則60歳まで不可
税メリット運用益が非課税運用益非課税+掛金が全額所得控除
向いている目的教育費・住宅費など時期が動く支出+老後資金老後資金と決めているお金
月いくらから金融機関により100円〜5,000円から
主な違いの整理(2026年7月時点の制度にもとづく一例)。受取時の課税や手数料など詳細は公式サイトでご確認ください。

モデルケース──35歳・共働き・子ども2人の場合

夫35歳(会社員・年収500万円)・妻34歳(共働き)・お子さん2人(8歳・5歳)のご家庭で考えてみます。夫がiDeCoに月2万3,000円拠出すると、年27万6,000円の所得控除で、所得税・住民税あわせて年5万5,000円ほど税負担が軽くなる計算です(所得税率10%・住民税10%の場合の概算)。ただしこのお金は60歳まで固定されます。上のお子さんの大学入学は約10年後。教育費の山が先に来るご家庭なら、まずNISAで月2〜3万円の積立てから始め、家計が安定して「これは老後まで使わない」と言えるお金ができたら、iDeCoを月5,000円〜1万円で足していく──そんな順番が考えやすいでしょう。→ この場合、「どちらが得か」ではなく「教育費の山を越える前か後か」が判断の分かれ目になります。

どっちから始める?──わが家に近いのはどちら?
教育費・住宅費がこれから
NISAから
いつでも引き出せる安心を優先。児童手当の積立て先にも
生活防衛資金も積立ても軌道に乗った
iDeCoを追加
「老後まで使わない」と言えるお金で所得控除を活かす
※考え方の一例です。ご家庭の状況によって変わります。

よくある誤解・注意点

誤解①「節税になるからiDeCoのほうが絶対有利」
→ 所得控除は大きな魅力ですが、60歳まで引き出せないこと、受取時に税金の計算があること、口座手数料がかかることも合わせて見る必要があります。

誤解②「NISAは元本保証じゃないから怖い」
→ NISAは「非課税の箱」で、リスクは中に入れる商品次第です。値動きが不安な方は、少額の積立てから始める方法があります。

誤解③「両方満額でやらないと意味がない」
→ そんなことはありません。NISAは100円から、iDeCoは5,000円から。金額より「続けられること」のほうがずっと大切です。

確認してほしい3つのポイント

いちばん小さな一歩はこれだけです。

  1. 勤め先に企業年金(企業型DC・DB)があるか確認する──iDeCoの掛金上限と手続きが変わる入口の情報で、総務に一言聞くだけでわかります。
  2. 余裕があれば:生活防衛資金(生活費の半年分が目安)がいくらあるか眺めてみる
  3. 余裕があれば:「60歳まで使わないと言えるお金」が月にいくらあるか考えてみる

まとめ

  • 判断の軸は「得か損か」より「いつ使うお金か」
  • 教育費の山が先に来るなら、いつでも引き出せるNISAからが考えやすい
  • iDeCoは「老後まで使わない」と言えるお金ができてからでも遅くない

※本記事の試算は一例であり、将来の運用成績や税額を保証するものではありません。

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このテーマの全体像は〈資産運用ガイド〉にまとめています。


のどかFP事務所からの一言

「教育費もあるし、iDeCoはまだ早い気がする」──もしそう感じていたなら、その感覚、合っていることが多いです。私は金融商品を販売しない中立のFPですから、どちらかの制度をおすすめする立場ではありません。わが家の順番を一緒に整理したくなったら、無料相談でお待ちしています。

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