この記事でわかること
- がん団信・3大疾病保障などの「特約」で何が保障されるか
- 病気のとき、公的保障(高額療養費・傷病手当金)でどこまでカバーされるか
- 上乗せ金利を「月額・総額」に直して判断する手順と試算例
「がん団信、勧められたけど付けたほうがいいの?」
「上乗せ金利0.1%って、高いの?安いの?」
「付けないで後悔しないかな…」
こんな気持ち、よくわかります。住宅ローンの特約は「なんとなく安心だから付ける」でも「もったいないから外す」でもなく、順番に確認すれば落ち着いて決められます。まず確認したいのは、国の保障と、いま入っている保険です。
まずは仕組みの確認──団信と特約、そして公的保障
団信(団体信用生命保険)の基本の保障は「死亡・所定の高度障害になったとき、ローン残高がゼロになる」ものです。たとえば【フラット35】の新機構団信は団信込みの金利が基本で、3大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)と介護保障を加えた「新3大疾病付機構団信」にすると金利は年0.24%上乗せになります(住宅金融支援機構)。民間銀行では、がんと診断されたら残高が半分になる「がん50%保障」は無料、全額ゼロになる「がん100%保障」は0.1〜0.2%程度の上乗せ、という形が多く見られます(金融機関により異なります)。
一方で、病気になったときには公的保障もあります。医療費には高額療養費制度(厚生労働省)があり、年収500万円前後の方なら1ヶ月の自己負担はおおむね8〜9万円程度が上限になります。また会社員の方は、働けない間の生活費として傷病手当金(給与のおよそ3分の2・最長1年6ヶ月)も受け取れます。がんは生涯でおよそ2人に1人が経験する身近な病気(国立がん研究センター)ですが、治療をしながら働き続ける方も多くいらっしゃいます。
FPとしての考え方──特約は「金利」ではなく「保険料」として見る
一般的な目安として、特約の判断は次の3つの順番で考えると整理しやすくなります。①公的保障と勤め先の保障でどこまでカバーされるかを確認する、②すでに入っている民間保険(がん保険・就業不能保険など)と重複していないかを見る、③上乗せ金利を月額・総額に直して「保険料」として比べる。ご家庭の働き方や貯蓄によって答えは変わりますが、この順番なら大きく迷いません。
| 金利(一例) | 毎月返済額 | 総返済額 | 基準との差 |
|---|---|---|---|
| 年1.8%(特約なし) | 112,382円 | 約4,720万円 | ― |
| 年1.9%(+0.1%) | 114,154円 | 約4,794万円 | 月+1,772円/総額+約74万円 |
| 年2.04%(+0.24%) | 116,662円 | 約4,900万円 | 月+4,280円/総額+約180万円 |
モデルケース──35歳・共働き・子ども2人の場合
夫35歳(会社員・年収500万円)・妻34歳(共働き)・お子さん2人(8歳・5歳)のご家庭が、3,500万円を35年で借りるとします。がん100%保障の上乗せが0.1%なら、負担は月およそ1,772円。これは「掛け捨てのがん保険に月1,772円で入る」のと同じ感覚で比べられます。すでに診断一時金タイプのがん保険に加入しているなら保障が重なっていないか、共働きで収入の柱が2本あるなら「残高が半分になる無料の50%保障で十分」という考え方もあります。→ この場合、特約を付けるかどうか以上に、保険全体の重複を整理することが課題になります。
よくある誤解・注意点
誤解①「特約を付けないと、病気になったら家を手放すことになる」
→ 高額療養費制度や傷病手当金があり、病気=すぐ返済不能ではありません。まず公的保障の土台を知っておくと、落ち着いて選べます。
誤解②「がん団信はどこも同じ」
→ 「診断確定で支払い」か「所定の状態が60日以上継続」かなど、支払条件が商品によって異なります。金利より先に条件の確認が大切です。
誤解③「0.1%くらいの上乗せは誤差」
→ 総額に直すと数十万〜百万円単位になります。逆に「月1,700円台の保険料」と考えれば妥当と感じる方もいます。どちらの感覚が正しいかではなく、総額と月額の両方に直してから決めることがポイントです。
確認してほしい3つのポイント
いちばん小さな一歩はこれだけです。
- いま入っている保険の「病気のときに出るお金」を1枚に書き出してみる──これだけで重複と不足が見えて、特約の要否は半分決まったようなものです。
- 余裕があれば:検討中のローンの特約の「支払条件」を確認する
- 余裕があれば:上乗せ金利を月額に直してみる(金融機関のシミュレーションでOK)
まとめ
- 特約は「金利」ではなく「保険料」。月額と総額に直して比べる
- 先に公的保障(高額療養費・傷病手当金)と手持ちの保険を確認する
- 答えはご家庭の働き方・貯蓄・保険の入り方で変わる。順番どおりに見れば大丈夫
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このテーマの全体像は〈マイホームのお金ガイド〉にまとめています。
のどかFP事務所からの一言
私は保険や金融商品を販売しない中立のFPなので、「付けるべき」とも「付けないほうがいい」とも決めつけません。ただ、ご家庭の保障の全体像を一枚に並べてみると、答えが自然に見えてくることは多いです。「うちの場合はどっちだろう?」と気になったら、無料相談で一緒に眺めてみませんか。


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