賃貸と持ち家、どっちがいい?──生涯コストの差と、わが家に合う選び方をFPが整理

目次

この記事でわかること

  • 賃貸と持ち家の「生涯コスト」は、条件しだいで差が小さくなってきていること
  • 損得だけで決めると迷いやすい理由と、代わりに見るとよい3つの軸
  • わが家がいま踏み出せる、いちばん小さな一歩

「家賃をずっと払い続けるのはもったいない気がする」「でも住宅ローンで何千万円もの借金を背負うのは怖い」——マイホームを考えはじめると、こんな気持ちが行ったり来たりしますよね。周りが次々と家を買っていくと、なんとなく焦りが出てくるかもしれません。その迷い、とても自然なことです。まずは損得の前に、全体像を落ち着いて見ていきましょう。

まず数字で見てみる ─ いまはどのくらいの人が持ち家?

総務省の「令和5年 住宅・土地統計調査」によると、日本の持ち家率はおよそ61%。残りのおよそ39%が賃貸などにお住まいです。持ち家の方がやや多いものの、賃貸で暮らし続ける方も相当数いる、というのが実際のところです。

生涯の住居費を試算した比較では「持ち家の方が1,000万〜1,300万円ほど安くなる」という結果もあれば、条件によっては賃貸と大きく変わらないという試算もあります。金利・家賃・住む年数・修繕費の見込みなどで結果が動くため、ひとつの数字を鵜呑みにしないことが大切です。(試算は前提条件によって変わり、将来を保証するものではありません)

FPの視点 ─ 「どっちが得か」だけでは決めにくい理由

一般的な目安として、生涯コストの差は昔ほど大きくありません。だからこそFPの視点では、金額の勝ち負けよりも「その住まいが、これからの暮らし方に合っているか」を先に考えることをおすすめしています。転勤の可能性・共働きの働き方・子どもの学校・親御さんとの距離感は、ご家庭によって大きく変わります。大切なのは金額そのものよりも、暮らしとのバランスです。

項目賃貸持ち家
住居費ずっと払い続ける完済後は大きく下がる
住み替え自由に動ける売却・賃貸の手間がかかる
修繕・維持大家さん負担自分で備える(修繕費)
資産残らない残る(価値は立地・築年で変動)
向いている人転勤・住み替えの可能性がある同じ場所に長く住む予定
賃貸と持ち家、それぞれの特徴

モデルケースで考えてみる

たとえば、夫35歳・会社員・年収500万円、妻34歳・共働き、子ども2人(8歳・5歳)のご家庭。仮に家賃12万円の賃貸に住み続けると、30年間で約4,320万円。一方、3,500万円の家を金利・諸費用・修繕費込みで購入すると、総支払いはおおむね4,500万〜5,000万円ほどになることが多い、というイメージです。数字だけ見ると近い水準ですが、持ち家は完済後に住居費が下がり、賃貸は住み替えの自由が残ります。(あくまで一例で、条件により大きく変わります)

30年間の住居費のイメージ(モデルケース)
賃貸
約4,320万円
持ち家
約4,750万円
※賃貸は家賃12万円×30年。持ち家は3,500万円の物件を金利・諸費用・修繕費込みで試算した一例。条件により大きく変わります。

よくある誤解

「家賃はぜんぶ捨てているお金」と思われがちですが、実は住み替えの自由や、修繕負担がない安心も買っています。「持ち家は資産になるから安心」も、立地や築年数によって価値は変わるため、必ず値上がりするとは限りません。「今の低金利のうちに買わないと損」という声もありますが、それよりも無理のない返済額かどうかの方がずっと大切です。

確認してほしい3つのポイント

  • 今後10年、住む場所が変わる可能性はどのくらいあるか(転勤・転職・親の状況)
  • 毎月いくらまでなら、無理なく住居費に使えるか(手取りの2〜3割が目安)
  • 持ち家なら修繕・固定資産税、賃貸なら更新料まで含めて比べているか

まとめ

  • 生涯コストの差は縮まっており、損得だけでは決めにくい
  • 「暮らし方に合うか」「無理のない支払いか」を先に見る
  • まずは今の住居費と、続けられる金額を書き出すことから

いちばん小さな一歩は、「わが家がいくらまでなら無理なく払えるか」をひとつだけ書き出してみること。その感覚がつかめれば、賃貸でも持ち家でも選びやすくなります。もう少し気軽に情報を集めたい方も、具体的に整理したい方も、無料相談でお気軽にお話しください。

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買うと決めたら次に気になる予算やローンについては、住宅購入で失敗しないお金のポイント住宅ローンの選び方もあわせてどうぞ。諸費用の全体像はマイホームの諸費用で数字にしています。このテーマの全体像はマイホームガイドにまとめています。


のどかFP事務所からの一言

賃貸と持ち家に、唯一の正解はありません。大切なのは、数字の勝ち負けよりも「わが家がどんな暮らしをしたいか」。あなたのご家庭にとって、住まいはどんな役割を持っていてほしいでしょうか。その問いから、一緒に考えていけたらうれしいです。

出典:総務省統計局「令和5年 住宅・土地統計調査」

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