投資の「長期」ってどういうこと? ─ 短期の値動きに動じないための考え方

目次

この記事でわかること

  • 資産運用で言われる「長期」が、なぜ家計の味方になるのか
  • 短期の値動き(上がった・下がった)に一喜一憂しなくていい理由(金融庁データ)
  • 35歳・子育て世代を例にした「長く付き合うお金」の考え方

「長期がいい」と聞くけれど…

「投資は長期がいいって言うけど、なんで?」

「始めた直後に下がったら怖い。すぐ売りたくなりそう…」

「数字が毎日上下するのを見ていられる自信がない…」

こんな気持ち、よくわかります。

NISAをきっかけに「長期・積立・分散」という言葉を耳にした方は多いと思います。でも、その一番最初にくる「長期」が、具体的にどんないいことにつながるのかは、意外と説明されません。

今回はその「長期」だけに絞って、まず確認したいポイントをお話しします。


公的なデータで「長期」を確認する

金融庁が、長期投資の効果を示すわかりやすいデータを公表しています。

1989年以降、毎月同じ金額を国内外の株式・債券に分散して積み立てた場合、保有期間ごとに結果がどうばらついたかを見たものです。

保有期間 1年あたりの利回りの幅 100万円を積み立てた結果
5年 −8% 〜 +14% およそ 74万〜176万円
20年 +2% 〜 +8% およそ 186万〜331万円

注目したいのは、保有期間が長くなるほど利回りの「幅」が狭くなっていることです。

5年だとマイナスにもプラスにも大きく振れますが、20年ではプラスの狭い範囲に落ち着いています。金融庁の資料では、この20年のケースで過去に元本割れがなかったことも示されています。

※ これは過去の実績にもとづくシミュレーションで、将来の運用成果を保証するものではありません。

(出典:金融庁 NISA特設サイト/2024年からのNISA早わかりガイドブック)


FPの視点:「長期」には2つの意味がある

ご家庭によって考え方は変わりますが、FPの視点では、「長期」には大きく2つの意味があると整理しています。

1つ目は、時間を味方にすること(複利)。

複利とは、増えたお金をまた運用に回すことで「利益が利益を生む」仕組みです。雪だるまを転がすほど大きくなるように、期間が長いほど効いてきます。

目安として「72の法則」があります。72 ÷ 利回り(%) で、お金が約2倍になる年数がざっくりわかります(年3%なら約24年)。早く始めて長く続けるほど、この力を受けやすくなります。

2つ目は、結果のブレが小さくなること。

さきほどの表のとおり、長く持つほど好調・不調の時期がならされ、年ごとの利回りのばらつきが小さくなっていきます。

大切なのは、金額そのものよりも「短期の上下に振り回されない仕組みを持つこと」です。


具体的に考えてみる(35歳・子育て世代の場合)

たとえば、こんなご家庭を考えてみます。

  • 夫:35歳・会社員・年収500万円
  • 妻:34歳・共働き
  • 子ども:2人(8歳・5歳)

このご家庭が、老後に向けて毎月コツコツ積み立てるとします。

35歳から始めれば、65歳まで30年の時間があります。これはまさに、さきほどの「20年の表」よりさらに長く時間を使える状況です。

一方で、5歳のお子さんの大学費用は約13年後。これは「長期」と呼ぶには少し短く、値動きのブレがまだ大きい時間軸です。

→ この場合、「老後資金は長くじっくり」「近い教育費は別の置き場所で」と、お金ごとに時間軸を分けて考えることが課題になります。同じ「貯める・増やす」でも、使う時期によって向き合い方が変わるのです。


よくある誤解・注意点

誤解①「長期ならほったらかしで勝手に増える」

→ 増えるかどうかは相場次第ですが、効果が出る前提は「続けること」です。金融庁も、途中で売ったり積立をやめたりすると効果が弱まると説明しています。

誤解②「下がったら早めに売って損を防ぐべき」

→ 長期前提で始めたなら、下がった局面はむしろ安く買える時期でもあります。慌てて売ると、ブレがならされる前に損が確定してしまいます。

誤解③「長期=とにかく長く持てば何でも大丈夫」

→ 近いうちに使う予定のお金まで投資に回すと、必要なときに値下がりしている、ということが起こり得ます。「長く置けるお金かどうか」の見極めが先です。


確認してほしい3つのポイント

  1. そのお金を「いつ使う予定か」を書き出してみる(5年以内/20年以上など)
  2. 「途中で下がっても売らずに続けられる金額か」を考えてみる
  3. 老後資金など長く置けるお金と、近い出費を分けて整理してみる

まとめ+次の一歩

今回のポイントを3つにまとめます。

  • 「長期」には、複利を効かせる意味と、結果のブレを小さくする意味がある
  • 金融庁データでは、保有20年で利回りが+2〜8%に収束し、過去は元本割れがなかった(将来保証ではありません)
  • だからこそ、短期の値動きに動じず「続けられる仕組み」をつくることが大切

「長期・積立・分散」のうち、まずは「長期」のイメージがつかめたでしょうか。

もう少し気軽に情報を集めたい方は、公式LINEでお金の話をやさしく配信しています。

「うちの場合の時間軸を一緒に整理したい」という方は、無料相談もご利用いただけます。


のどかFP事務所からの一言

のどかFP事務所は、特定の金融商品を販売しない、中立的な立場のFP事務所です。

「長期がいいらしい」と聞いても、ご家庭ごとに「どのお金を、どのくらいの時間軸で考えるか」は変わります。だからこそ、答えを急ぐより、まずご自身の時間軸を見える化することが第一歩だと考えています。

あなたのご家庭にとって、「長く付き合えるお金」はどれくらいありそうでしょうか。

一緒に考えてみたい方は、お気軽にご相談ください。

▶ 無料相談:https://nodokafp.com/free-consultation/


出典一覧

  • 金融庁 NISA特設ウェブサイト/2024年からのNISA早わかりガイドブック:https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa2024/guidebook_202307.pdf
  • 金融庁 教えて虫とり先生(第3回):https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/attention/01/01_03.html
  • 金融庁 長期・積立・分散投資とNISA制度(説明資料):https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20170614-2/86_1.pdf

※ 本記事の試算・データは過去の実績にもとづくものであり、将来の運用成果を保証するものではありません。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次