この記事でわかること
- 旧NISA(一般NISA・つみたてNISA)の非課税期間が終わると何が起こるのか
- 満了のときに選べる「2つの道」と、その分かれ目になる考え方
- 「含み益・含み損」で対応が変わる理由を、具体的な数字で確認できる
はじめに(こんなモヤモヤ、ありませんか)
「2023年までにNISAで買った分、そのままにしているけど大丈夫かな…」
「『非課税期間が終わる』と聞いたけど、何をすればいいのか分からない」
「ほうっておくと損するの? でも調べるのが面倒で後回しに…」
こんな気持ち、よくわかります。
旧NISAは2023年末で新規の買い付けが終わりましたが、いま持っている商品は、すぐに何かが消えてしまうわけではありません。ただ、商品ごとに「非課税で持てる期限」が順番に来るので、その年だけは少し意識しておくと安心です。むずかしく考える必要はありません。一緒に全体像を見ていきましょう。
まず確認したい「公的な仕組み」
NISAは国の制度なので、ルールは金融庁のサイトで確認できます。旧NISAについては、ポイントは次の3つです。
まず、非課税で持てる期間が決まっていること。一般NISAは買った年から5年、つみたてNISAは20年です。一般NISAは2023年が最後の買付年なので、満了の時期は次のように並びます。
| 一般NISAで買った年 | 非課税で持てる期限 |
|---|---|
| 2021年 | 2025年末(終了済み) |
| 2022年 | 2026年末 |
| 2023年 | 2027年末 |
つみたてNISAは期間が20年と長く、いちばん早いものでも2037年末まで非課税です。つまり、当面あわてて動く必要があるのは「一般NISA」のほうだと整理できます。
次に、旧NISAから新NISAへ“移しかえ”はできないこと。以前は満了時に翌年の枠へ移す「ロールオーバー」という仕組みがありましたが、これは廃止されました(金融庁:2023年までのNISA)。
そして、手続きをしなければ、自動的に課税口座へ移されること。資産が無くなるわけではありませんが、移ったあとの利益には税金(約20%)がかかるようになります。
FPとしての考え方の整理
ご家庭によって考え方は変わりますが、判断の軸として「選べる道は実は2つだけ」と知っておくと、迷いがぐっと減ります。
ひとつは、非課税期間が終わる前に売るという道。もうひとつは、そのまま課税口座へ移す(=何もしないとこうなる)道です。
このどちらがよいかを決める一番のポイントが、「いま含み益が出ているか、含み損になっているか」です。一般的な目安として、利益が出ているなら非課税のうちに整理しやすく、損が出ているなら少し注意が必要、と考えると分かりやすいです。大切なのは、金額そのものよりも「自分はどちらの状況か」を先に把握しておくことです。
具体的なモデルケース(数字で見てみる)
たとえば、35歳・会社員・年収500万円のAさん。共働きで、お子さんは2人(8歳・5歳)。2022年に一般NISAで投資信託を100万円分買い、非課税期限は2026年末だとします。
ケース1:値上がりして130万円になっている場合
非課税期間中の30万円の利益はそのまま非課税。このタイミングで売って利益を確定し、その資金を新NISAで買い直せば、引き続き非課税で運用を続けられます。
ケース2:値下がりして90万円になっている場合
ここが要注意です。何もせず課税口座へ移ると、取得価格が「満了時の90万円」に置きかわります。その後95万円に戻して売ると、本当は当初の100万円から5万円の“損”なのに、90万円を基準にした5万円の“利益”とみなされ、税金がかかってしまうことがあります。
→ この場合、Aさんは「回復が見込めるか」を考え、見込めるなら保有継続、見込みにくいなら満了前に売る、といった判断が課題になります。
※数字はあくまで仕組みを説明するための例で、将来の運用成績を保証するものではありません。
よくある誤解・注意点
誤解①「ほうっておくと資産が消える」
→ 消えません。自動的に課税口座へ移されて運用は続きます。ただし、その後の利益が課税対象になります。
誤解②「旧NISAの商品を新NISAにそのまま引き継げる」
→ 引き継げません。非課税で続けたいなら、一度売って新NISAで買い直す必要があります。
誤解③「損が出ているなら売れば税金が安くなる」
→ NISAの売却損は、ほかの口座の利益と相殺(損益通算)できず、繰越控除もできません。「損切り=節税」にはならない点に注意です。
確認してほしい3つのポイント
- 自分の旧NISAが「一般NISA」か「つみたてNISA」か、買った年はいつかを確認する
- いまの評価額を見て、「含み益」か「含み損」かをざっくり把握する
- 一般NISAなら、満了の年(2026年末・2027年末など)をカレンダーに印をつけておく
まとめと、次の一歩
最後に要点を3つだけ。
- 旧NISAは満了しても資産は消えず、選べる道は「売る」か「課税口座へ移す」の2つ
- 新NISAへの移しかえはできない。非課税を続けたいなら売って買い直し
- 判断の決め手は「含み益か含み損か」。とくに含み損のまま自動で移すのは避けたい
「自分のケースだとどうなるんだろう?」と気になった方は、まず気軽に情報収集から始めてみてください。のどかFP事務所の公式LINEでは、知っておくと安心なお金の情報を配信しています。具体的に整理してみたい方は、無料相談(https://nodokafp.com/free-consultation/)もご利用いただけます。
のどかFP事務所からの一言
私たちは特定の金融商品を販売しない、中立的な立場のFPです。だからこそ、「売る・売らない」も、損得だけでなく、その方の暮らしや気持ちに合わせて一緒に考えたいと思っています。
満了の年が近いと、つい「早く決めなきゃ」と焦ってしまうかもしれません。でも、いちばん大切なのは、あわてて動くことではなく、自分がどちらの状況にいるかを知ったうえで、納得して一歩を選ぶこと。あなたなら、どんな未来のためにこのお金を使っていきたいですか?
出典
- 金融庁:2023年までのNISA(NISA特設ウェブサイト)(参照日:2026-06-01)
- 楽天証券:NISAロールオーバー制度が終了 旧NISAの非課税期間が終わるまでにやっておくこと(参照日:2026-06-01)
- 大和証券:NISA非課税期間終了時の取扱いについて(PDF)(参照日:2026-06-01)
- auじぶん銀行:一般NISAの非課税期間終了! 損している時はどうする?(参照日:2026-06-01)
将来の制度内容や運用成績を保証するものではありません。最終的な判断はご自身の状況に合わせてご検討ください。


コメント