「使う・貯める・備える」の黄金比って? ── わが家流の割合の決め方

目次

この記事でわかること

  • 家計の「使う・貯める・備える」のバランスに、決まった正解はないということ
  • よく聞く「50/30/20」や「手取り2割貯蓄」が、実は”目安”であるという本当のところ
  • 手取り月35万円の子育て世帯を例にした、わが家流の割合の決め方

「うちの貯め方、合ってるのかな?」というモヤモヤ

家計のことを考えていると、こんな気持ちになることはありませんか。

  • 「毎月なんとなくお金は残るけど、これで足りているのか分からない」
  • 「ネットで見た“手取りの2割を貯金”って、うちには現実的じゃない気がする」
  • 「もっと使ってもいいのか、もっと貯めるべきなのか、誰かに正解を教えてほしい」

こんな気持ち、よくわかります。お金の話は人と比べづらく、答え合わせをする機会もなかなかありません。でも大丈夫です。実は、家計のバランスに「これが絶対の正解」というものはありません。この記事では、ご家庭ごとに「わが家流の割合」を見つけるための考え方を、いっしょに整理していきます。


公的な数字で見る「みんなの家計」

まず確認したいのは、実際の家計の平均像です。総務省の「家計調査(2024年平均・勤労者世帯)」によると、手取り収入(可処分所得)は月およそ52万円。そのうち使っているお金(消費支出)は約32.5万円で、手取りの約6割を使い、約4割が手元に残るという結果でした(黒字率37.8%)。「黒字率」とは、手取りから使ったお金を引いて、貯蓄や返済に回せる分が残る割合のことです。

さらに年齢で見ると、黒字率は40歳未満で45.7%、40代で41.9%。30〜40代は、人生の中でも比較的お金を貯めやすい時期だといえます(出典:総務省統計局「家計調査(家計収支編)2024年平均」)。

そしてもう一つ大切なのが、公的機関がすすめているのは「特定の割合」ではなく「先取り貯蓄」という“方法”だということ。残ったら貯めるのではなく、給料が入ったら先に貯める分を取り分けておく。これだけで、貯まり方は大きく変わります(参考:知るぽると「先取り貯蓄」)。


FPとしての考え方:3つに分けて眺める

よく耳にする「50/30/20ルール」(生活費50・ゆとり30・貯蓄20)や「手取り2割貯蓄」は、もともとアメリカの書籍(エリザベス・ウォーレン『All Your Worth』)から広まった考え方で、公的に決まったルールではなく、あくまで出発点となる“目安”です。

一般的な目安として、家計はこの3つに分けて考えると見通しが立ちやすくなります。

  • 使う:毎日の生活に必要なお金(家賃・食費・光熱費など)
  • 貯める:当面の安心のためのお金(急な出費に備える生活防衛資金)
  • 備える:将来のためのお金(教育費や老後への資産形成)

順番としては、まず「貯める(生活防衛資金)」を整え、その後に「備える(運用)」へ進むのが基本です(参考:金融庁NISA特設サイト)。ただし、ご家庭によって考え方は変わります。大切なのは金額そのものよりもバランスです。


モデルケース:手取り月35万円の子育て世帯

具体的に見てみましょう。夫35歳(会社員・年収500万円)、妻34歳(共働き)、小学生と未就学児の4人家族。世帯の手取りが月35万円のケースです。

目安としての配分例は、こんなイメージです。

区分 割合の目安 金額の目安
使う(必要な生活費) 約50〜70% 17.5万〜24.5万円
貯める・備える 約20〜30% 7万〜10.5万円
自由に使うゆとり費 約10〜20% 3.5万〜7万円

※割合はあくまで幅のある目安なので、合計はぴったり100%にならず前後します。わが家のしっくりくる配分を探すための出発点としてお使いください。

「7万円も貯めるのは無理…」と感じても大丈夫です。まずは手取りの1割=月3.5万円(年42万円)の先取りから。それも難しければ、5%の月1.75万円からでもかまいません。生活防衛資金は、生活費が月25万円なら6か月分の150万円が一つの到達ラインです(金額は民間の目安で、3か月〜1年分と幅があります)。

※この配分はあくまで一例で、将来の運用成績を保証するものではありません。


よくある誤解・注意点

誤解1:「みんなの平均くらい貯めなきゃ」

J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査2024年・二人以上世帯」では、金融資産の平均は1,374万円ですが、中央値は350万円。平均は一部の高資産世帯に引き上げられるので、実感に近いのは中央値のほうです。平均に振り回されすぎないでください。

誤解2:「割合を守れないとダメ」

50/30/20はあくまで目安。教育費がかさむ時期に貯蓄ゼロの月があっても、それは失敗ではありません。

誤解3:「貯まってから運用すればいい」

順番は大切ですが、生活防衛資金が整いはじめたら、少額からでも「備える」を始めてみる。完璧を待たなくて大丈夫です。


確認してほしい3つのポイント

いちばん小さな一歩:給料日に「先取りで取り分ける額」を1つ決める

まずは月1.75万円(5%)でも構いません。自動積立に設定すれば、あとは仕組みにおまかせできます。まずはここだけ、で大丈夫です。

余裕があれば①:先月の「使う」の合計をざっくり把握する

家計簿アプリでも手書きでも。だいたいで十分です。

余裕があれば②:わが家の生活防衛資金の目標額を決める

生活費の何か月分を安心ラインにするか、ご家庭で話してみてください。


まとめと次のステップ

今日のポイントを3つに整理します。

  1. 家計のバランスに絶対の正解はなく、「使う・貯める・備える」の3つで眺めるとスッキリする
  2. 公的にすすめられているのは特定の割合ではなく「先取り貯蓄」という方法
  3. まずは手取りの5〜10%を先取りする、その小さな一歩から

「わが家の場合はどう分ければいい?」と感じたら、公式LINEで気軽に話しかけてください。日々のちょっとした疑問にお答えしています。もう少しじっくり一緒に考えたい方は、無料相談もご利用いただけます。


のどかFP事務所からの一言

のどかFP事務所は、保険や金融商品を販売しない完全独立系のFPです。だからこそ、「あなたのわが家にとっての心地よいバランス」を、中立な立場でいっしょに探すことができます。

最後にひとつ。あなたのご家庭にとって、「ここまで使えたら満足だな」「これくらい残せたら安心だな」と感じる割合は、どのあたりでしょうか? その感覚、合っていることが多いです。よかったら、いっしょに見える化してみませんか。


出典一覧

  • 総務省統計局「家計調査(家計収支編)2024年平均」 https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_gaikyo2024.pdf
  • J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査2024年(二人以上世帯)」 https://www.j-flec.go.jp/wpimages/uploads/yoronf24.pdf
  • 知るぽると(金融広報中央委員会)「先取り貯蓄」 https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/hitori_kurashi/hitori_kurashi_006.html
  • 金融庁 NISA特設ウェブサイト https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/book/

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次