この記事でわかること
- お金の使い方を整理する「消費・投資・浪費」という3つのものさし
- 「必要(ニーズ)」と「欲しい(ウォンツ)」の分け方と、ウォンツとの上手な付き合い方
- 35歳・共働き・子ども2人の家庭を例にした、支出のざっくり仕分けの始め方
「節約しなきゃ」と思いつつ、なんとなく過ぎていく
「貯金したいけど、何を削ればいいのかわからない」
「気づいたらサブスクや外食で、けっこう使っている気がする」
「節約は大事だと思うけど、我慢ばかりだと続かない…」
こんな気持ち、よくわかります。
家計の本を読むと「無駄を削りましょう」と書いてありますが、いざ自分の支出を前にすると、どれが無駄でどれが必要なのか、線を引くのは案外むずかしいものです。
そこで今回は、お金を「減らす」前に、まず「見える化して仕分ける」ところから始めてみましょう。ここを整えるだけで、我慢に頼らなくても家計はぐっと考えやすくなります。
まず、家計の「平均」をのぞいてみましょう
自分の使い方を考える前に、ひとつ目安になる数字を見ておきましょう。
総務省の家計調査(2024年)によると、二人以上の世帯の消費支出は1か月あたり平均およそ30万円。そのうち食費が約9万円で、支出全体のおよそ3割を占めています(エンゲル係数 約30%)。
数字を見ると「うちは多いかな、少ないかな」と気になりますが、ここで大切なのは平均と比べて一喜一憂することではありません。「何に、いくら使っているか」を自分の言葉でつかんでおくこと。それが、使い方を整える出発点になります。
ちなみに、お金の使い方を学ぶ公的な指針(J-FLEC=金融経済教育推進機構の「金融リテラシー・マップ」)でも、家計管理の基本として「ニーズ(必要なもの)とウォンツ(欲しいもの)を分けて考える」ことがあげられています。これは国も大事にしている、いちばん土台の考え方なんですね。
FPの視点:お金の使い方は「3つのものさし」で見える化できる
ここからが本題です。一つひとつの支出は、次の3つのものさしで仕分けると、ぐっと見えやすくなります。
- 消費:生活に必要な支出(食費・住居費・水道光熱費など)。払った金額と受け取る価値がだいたい釣り合うもの。
- 投資:未来に返ってくる支出。払った金額以上の価値が、あとから返ってくるもの。
- 浪費:価値があまり残らない、なんとなくの支出。「使わなかったな」「なくてもよかったな」と感じるもの。
ここで強調したいのが、投資はお金が増えることだけではないということ。資格や学びはもちろん、健康(運動や歯のメンテナンス)、家族と過ごす経験、信頼できる人とのつながり――こうした「未来の自分や大切なひとを明るくする支出」も、立派な投資です。
一般的な目安として「消費70・投資25・浪費5」という配分が紹介されることもあります。ただ、これは正解ではなく、あくまで今の自分を測るためのものさし。比率にぴったり合わせる必要はありません。
そして大切なのは、金額そのものよりもバランスです。同じカフェ代でも、惰性で立ち寄れば消費寄り、大事な人とじっくり話す時間への対価なら投資寄り。「いくら使ったか」ではなく「何のために使ったか」で、分類は変わってきます。
モデルケース:35歳・共働き・子ども2人の家庭の場合
夫35歳・会社員(年収500万円)、妻34歳・共働き、子ども2人(8歳・5歳)のご家庭を例にしてみましょう。
ある月の支出を、ざっくり3つに色分けしてみます(金額は一例です)。
- 消費:家賃・食費・水道光熱費・通信費など → 約22万円
- 投資:子どもの習い事、夫婦の健診、家族でのお出かけ、NISA積立 → 約6万円
- 浪費:使っていないサブスク、なんとなくのコンビニ買い → 約2万円
こうして並べると、「投資にもちゃんと回せている」と安心できたり、「使っていないサブスク、解約しよう」と気づけたりします。→ この場合の課題は『浪費を責めること』ではなく、気づいていなかった支出に光をあてること。色分けしてみるだけで、次の一歩が自然と見えてきます。
よくある誤解・注意点
誤解①「ウォンツ(欲しいもの)は、我慢して削るべき」
→ そうとは限りません。ウォンツは人生を豊かにする大事な要素でもあります。すべてを我慢するのではなく、「これは外せない」「これは今じゃなくていい」と優先順位をつけられれば十分です。
誤解②「浪費はゼロが理想」
→ ゼロを目指すと、家計も気持ちも窮屈になりがちです。浪費5%くらいは「あってよい余白」。息抜きは、家計を長く続けるための潤滑油でもあります。
誤解③「投資=お金が増えること」
→ 投資はもっと広く捉えて大丈夫です。健康・学び・経験・人とのつながりへの支出も、未来に返ってくる立派な投資です。
今日、確認してほしい3つのこと
今日できることをひとつだけ挙げるなら、まずはこれだけで大丈夫です。
- 直近の買い物をひとつ思い出して、「消費・投資・浪費」のどれかを考えてみる(これだけでOK)
- (余裕があれば)毎月かかっているサブスクを書き出して、今も使っているか確認する
- (余裕があれば)1か月だけ、支出をざっくり3つに色分けしてみる
ポイントは、完璧な家計簿をつけないこと。ざっくりで十分ですし、これは「現状を知る健康診断」であって、自分を責めるためのものではありません。
まとめと、次の一歩
今日のポイントを3つにまとめます。
- お金の使い方に絶対的な良い・悪いはなく、「自分の価値観に合っているか」で考える
- 支出は「消費・投資・浪費」の3つのものさしで見える化できる
- 投資は広く、浪費はゼロでなくていい。大切なのは金額よりバランス
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のどかFP事務所からの一言
のどかFP事務所は、特定の保険や金融商品を販売しない、完全独立系のFPです。だからこそ、「これを買いましょう」ではなく、「あなたにとって、その使い方は心地いいですか?」と一緒に考えることを大切にしています。
お金の使い方に、唯一の正解はありません。今日、支出をひとつだけ「消費・投資・浪費」で眺めてみる――その小さな一歩が、未来を明るくする入口になります。あなたが今いちばん「心地いいな」と感じるお金の使い方は、どんな使い方でしょうか。
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出典
- 総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2024年(令和6年)平均」 https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_mr-y.pdf
- 金融経済教育推進機構(J-FLEC)「金融リテラシー・マップ」 https://www.j-flec.go.jp/conference/literacy_map/
- 知るぽると(金融広報中央委員会)「金融リテラシー・マップ」 https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/literacy/
※本文中の金額・配分は一例であり、最適なバランスはご家庭によって異なります。


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