はじめに:「どのローンが得?」より「うちの家計に合うのはどれ?」
相談者さまフラット35と変動金利、結局どっちが得なんですか?



“うちの家計に合うほう”が正解なんですよ。金利だけでなく、家計のリスク許容度も大切です。
2025年、金利は長く続いた超低金利の時代から少しずつ動き始めています。
フラット35や変動金利、固定期間選択型など選択肢は豊富ですが、どれを選ぶかで返済総額は何百万円も変わることも。
でも実は、「金利が低いから得」という単純な話ではありません。
この記事では、FP(ファイナンシャルプランナー)が家計目線で考える住宅ローンの選び方を、やさしく・実践的にお伝えします。
フラット35と民間ローンの違いを“思想”で理解する



なんとなく民間のほうが審査が厳しそうって聞きました。



その通り。フラット35と民間ローンは、そもそも“考え方”が違うんです。
審査の視点
- 民間ローン:勤務先・勤続年数・年収など「人物重視」。転職直後や自営業だと厳しい傾向。
- フラット35:返済比率や物件の品質など「物件重視」。収入が安定していれば雇用形態に寛容です。
費用構造の違い
- 民間は保証料(借入額の2%前後)を取る代わりに事務手数料は控えめ。
- フラット35は保証料ゼロだが、事務手数料が定率型(約2.2%)で高めに感じることも。
使い勝手の違い
- フラット35は繰上返済手数料が無料で、ネットからも可能。
- 民間は最低返済額や手数料がかかることもあります。



フラット35は“誰でも借りやすく長く返せる”仕組み。民間は“条件が良ければより安く”借りられる仕組みです。
金利タイプ別の特徴と“落とし穴”
住宅ローンを比較するとき、真っ先に気になるのが金利タイプ。
それぞれの“メリットと罠”を理解しておきましょう。
変動金利:安いがリスクを背負うタイプ
- 金利は半年ごとに見直されるが、返済額は5年間固定。
- 上限1.25倍ルールで返済が急上昇しにくい代わりに、未払利息が発生して元本が減らないことも。



“安い金利”の裏には、“いつ上がるか分からない”不安がある。ストレスに強い家計なら選択肢になります。
全期間固定金利:安心だがコストが高い
- 借入時から完済まで金利が変わらず、返済計画が立てやすい。
- 一方で、当初金利は変動より0.5〜1.0%ほど高い。
- 将来金利が下がっても恩恵を受けられません。



“金利が上がったら困る”という人は、安心を“買う”イメージで固定を選びましょう。
固定期間選択型:安定と柔軟の中間
- 5年・10年など一定期間だけ固定、その後は再選択。
- 注意すべきは、固定期間が終わると優遇幅が縮む“再選択の罠”。
- 更新後の金利が急上昇するリスクも見逃せません。
我が家のリスク許容度を点検しよう



家計に余裕があるとは言え、将来のことを考えると不安で…



“返せるか”より“続けられるか”が大事。リスク許容度を数値と気持ちで見ましょう。
住宅ローンは、家計の“財務的余裕”と“心理的余裕”のバランスで選ぶのがコツ。
財務的許容度
- 収入が減っても返済できるか(例:収入−30%を想定)
- 貯蓄・ボーナス・副収入でどれだけ吸収できるか
心理的許容度
- 金利上昇で返済が変わることへのストレス
- “一定の支出が安心”か“変動でも安さ重視”か
タイプ別おすすめ戦略(2025年版)
- 若年子育て世帯:教育費の見通しを立てやすい全期間固定金利がおすすめ。
- 共働きDINKs世帯:ダブルインカムの安定性を活かして変動+繰上返済戦略。
- 自営業・フリーランス:審査が通りやすいフラット35+余裕資金で繰上返済。
- 退職間近の世帯:短期固定+早期完済、またはリバースモーゲージも検討を。
2025年の金利環境とこれからの選び方
2025年は「マイナス金利解除」で金利が緩やかに上昇傾向。
変動金利はまだ低水準を維持していますが、油断は禁物です。
- 新規借入なら、“返済額が上がっても生活が続けられるか”を基準に判断。
- 借り換えなら、差が0.3%以上・残高1,000万円超・残期間10年以上が目安。
固定へ切り替える「守りの借り換え」も有効です。
金利以外の「見落としポイント」で差がつく!
団体信用生命保険(団信)
- 三大疾病や介護保障など、カバー範囲が拡大中。
- 金利上乗せ0.1〜0.3%程度でも、家計保険料の削減効果大。
住宅ローン控除(2025年)
- 年末残高の0.7%を最大13年間控除。
- 省エネ住宅なら上限アップのチャンスも。
諸費用の見極め
- 事務手数料・印紙・登記費用などで数十万円の差。
- 「金利だけ」ではなく、総返済額で比較するのが鉄則です。
契約前のセルフチェックリスト
- 金利が+2%になっても家計は回る?
- 頭金・諸費用を支払っても半年分の生活費が残る?
- 将来の教育費・老後資金と両立できる?
- 団信・保険の保障が“我が家のリスク”に合っている?



借りる前に、“10年後に失敗していたとしたらなぜか?”を考える。
これが、ローン破綻を防ぐ一番のコツです。
今日からできる3ステップ
- 返済限度額を決める(“借りられる額”ではなく“眠れる額”)
- 金利タイプを仮決めする(変動・固定・固定期間選択)
- 総返済額で比較する(金利+諸費用+団信+減税をセットで)
まとめ
住宅ローンは「金利で選ぶ」ものではなく、「人生設計と家計に合う」もの。
リスク許容度を軸に選べば、10年後に“あのときの選択で良かった”と思えるはずです。
焦らず、数字と気持ちの両面から“うちの最適解”を見つけていきましょう。
FP事務所でできること
「“どっちが得か”より“うちに合うか”。
迷いが晴れないときは、家計と将来計画から“眠れる返済額”を一緒に見つけましょう。
ご相談はこちらから。」







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